ソリューション事例

-100℃の低温トラップとしての活用法(オプション) ~極低温反応機「UCR-150N-S」~

 前回、当社のベストセラー製品「極低温反応機 UCリアクター UCR-150N-S」について、有機合成実験における低温反応環境制御の例をご紹介させて頂きました。

 今回は、低沸点溶媒(ジエチルエーテルや塩化メチレン(ジクロロメタン)等)などの回収も可能にする、-100℃の冷却トラップとしての利用例についてご紹介いたします。

 

低温トラップとしての使用例

1.はじめに
 当社のベストセラー機器「極低温反応機UCR(UCリアクター)」ですが、冷却部分のアルミブロックを交換することで様々な用途に使用でき、-100℃以下の低温でお使いいただけるため、通常では回収が困難な低沸点溶媒(ジエチルエーテルや塩化メチレン(ジクロロメタン)等)の回収も可能です。

UCR-150N-S 冷却トラップ

図1 UCR-150NH(左:標準タイプ)、及び、UCR-150TR(右:冷却トラップタイプ)

 

2.極低温反応機UCR(UCリアクター)について
 UCR(UCリアクター)は、フロンを使用しないスターリング冷凍機を採用した冷却システムです。
 スターリング冷凍機は、‐80℃~-100℃の超低温域までの冷却を可能にするとともに、構造上ほぼメンテナンスフリーで長期間使用が可能であるなどの利点を持ちます。
 当社では、スターリング冷凍機の冷却部に種々の形状のアルミブロックを準備することで多様な用途に使えるようにしています。

UCRアルミブロック(冷却トラップ)
図2 アルミブロック、及び、アルミスペーサーの例

 

3.冷却トラップとしての利用
 今回ご紹介するのは、強力な冷却トラップとしての利用例です。

1)現状の課題
 真空乾燥器で試料を乾燥させる際、通常は、真空ポンプの前に‐20℃程度の電気式冷却器を使用しているケースが多いでしょう。しかし、溶剤の沸点が低い場合には、ドライアイス/アセトン(-78℃)や、液体窒素(-196℃)を利用することもあると思います。真空乾燥などでは時間がかかるために終夜運転を行う場合などにこれらの冷却トラップを使用した場合には、冷却温度が足りずに真空ポンプを痛めたり、環境に放出したりすることも多々あります。また、翌朝きてみるとたっぷり入れたはずのドライアイスが全部なくなっており、トラップの温度が上がって折角回収した溶剤が再度全部飛んでしまった、ということも起き得ます。


2)UCRの活用例
 そこでUCRによる超低温トラップの出番です。
 これは、UCR-150と、冷却トラップ専用のアルミブロック(オプション)を組み合わせたもので、 安全且つ正確に-100℃までのの冷却が可能です(専用型番:UCR-150TR)。
アルミブロックはお客様のニーズに合わせて製作致しますので、お使いになるガラストラップの径と長さをお知らせください。 UCR-150冷却トラップ(タイプ、構造)

図4 UCR-150TR アルミブロックの例

 

UCR冷却トラップ(使用例)
図5 2本のトラップを連結して使用している例

 

 「極低温反応機UCリアクター UCR-150N-S」についての詳しい情報は、以下のリンクからご確認ください。

(株)創造科学研究所(UCR-150N-S)のウェブージ

 

 ※前回の、低温化学反応への利用例もご参照ください。