ノンフロンで-100℃程度までのプログラム温度制御が可能な冷却機「UCR-150N-S」~有機金属化合物等を用いた低温有機合成への使用~
当社のベストセラー製品「極低温反応機UCリアクター UCR-150N-S」について、ご利用例などをご紹介できればと思います。化学情報ポータルサイトの ChemStation(ケムステーション)でも取り上げて頂いた製品になります。
当製品が多くの方々に支持されている理由は、以下のようなものです。
1.ノンフロン・冷媒不要
2.-100℃~+50℃の範囲で、温度を精密制御(プログラム制御)可能
3.冷却槽のアルミブロック部形状等のカスタム設計に対応
4.実験台上で邪魔にならない小型コンパクト設計
5.メンテナンスフリー
これらの特徴は、低温化学実験用に設計された極低温反応機「UCリアクター UCR-150N-S」の実力を発揮できるものとなります。
低温化学反応の例
有機金属化合物をはじめ寿命が短い活性種を利用した化学反応や、反応の選択性を向上させ目的物の収率を向上させるなどのために、0℃以下の低温で化学反応を行うことが多々あります。
通常は、ドライアイス/アセトン、ドライアイス/メタノール、液体窒素などにより低温環境を作ることが多いですが、温度を正確に制御することはなかなか至難の業になります。
UCリアクターは、-100℃~+50℃の範囲で精密に温度制御が出来、制御温度プロフィールをプログラムコントロールが可能であり、効率・精度の良い再現性の高い実験の実施を可能にします。
例えば、2021年にノーベル化学賞を受賞対象となった「不斉有機触媒」を用いた合成反応等、高度な立体選択性を目標とするような化学反応は、低温域での精密温度制御が結果を左右することがあります。
以下の例は、最近のリスト教授による論文(Nature 605, 84–89 (2022).https://doi.org/10.1038/s41586-022-04531-5)から引用したものです。
立体選択性の高い化学反応は低温で行われることも多く、上記反応では、-60℃~-100℃の低温で反応を行います。
「極低温反応機UCリアクター UCR-150N-S」は、このような化学反応を行う際に最適です。コンパクトサイズ、冷媒不要、ノンフロン、-100℃~+50℃の範囲で、温度を精密制御(プログラム制御)が可能といった特徴を大いに生かすことが可能です。
また、こちらの例は、グリニャール(Grignard)反応の例ですが、副反応制御のために-78℃(ドライアイス-アセトンによる冷却)のような低温で行われることもしばしばです。こちらの例もUCリアクターが活躍する例です。
※図は、Wikipediaより引用
これ以外にも、シャープレス酸化(Sharpless Oxidation)、向山アルドール反応(Mukaiyama Aldol Reaction)、スワン酸化(Swern Oxidation)など、低温での温度制御が必要とされる化学反応に好適に使用頂けます。
「極低温反応機UCリアクター UCR-150N-S」についての詳しい情報は、以下のリンクからご確認ください。
※次回、UCR-150N-Sの第2弾として、冷却トラップとしての利用例をご紹介させて頂きます。