VOC排出抑制対策(VOC回収、VOC除去、VOC削減)
VOCとは?
VOCとは、Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)のことで、大気中に排出されると、健康被害などの悪影響がある可能性があるものです。具体例としては、トルエン、アルコール、フロン、ジクロロメタン、ホルムアルデヒド等を例示することが出来ます。公害防止、労働環境保全などのためにこれら物質はなるべく大気中に排出しない方が好ましいといえます。
VOC関連の法規制
2006年4月1日より揮発性有機化合物(VOC)の排出規制が実施され 外形裾切り基準(※)以上の排出事業者にはVOC排出の削減が義務付けられました。同時に経済産業省は、裾切り基準未満の中小の事業者に対しても「自主的取組」を実施するよう求めており、大口排出事業者傘下の中小事業者では既にVOC排出の20%削減などに 取り組み始めています。
■大口排出事業者(外形裾切り基準以上)
規制あり。施設に応じて決められた排出基準値及び環境省・経済産業省からの指導を遵守。
※外形裾切り基準 … 法規制対象施設の判断基準となる数値
■中小排出事業者(外形裾切り基準未満)
自主的取り組み。平均値でH12年度比30%削減。
VOC削減、回収、除去のお手伝いをいたします
弊社ではこれまで様々な溶媒回収装置を開発・製造してまいりました。大学研究室等には主として汎用的な溶媒回収装置を、事業所等へは生産設備対応のカスタム品を開発・製造しています。
■VOC源となる代表的な有機化合物、有機溶剤
アルコール類:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、フェノール
極性溶媒:アセトン、酢酸エチル、MEK
非極性溶媒:ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソプロピルベンゼン
ハロゲン系溶媒:ジクロロメタン(塩化メチレン)、トリクロロエチレン
etc.
■対象となる工程・施設の例
化学製品製造における乾燥工程
工業用洗浄工程
洗浄後の乾燥工程
VOCの貯蔵施設
接着剤使用施設の乾燥・焼付工程
印刷工場(インクの溶剤)
食品加工工場(エタノールを日もち剤として使用している場合等)
プラスチック成型加工を行っている工場(溶融樹脂の分解や添加剤などの揮発分)
■その他
また、「空気中の有機物を除去する」技術ですから、ニオイや浮遊粒子状物質(SPM)等の除去にも有効な場合があります。
VOC削減、回収、除去の具体的方法
以下に、代表的なVOC削減・回収・除去の方法の例を示します。弊社では、これらの方法とお客様の状況を勘案し、最適なVOC回収、削減、除去の方法・装置をご提案いたします。
①コールドトラップ法
【長所】
・VOCが高濃度の場合、クリーンに回収できる。
【短所】
・VOCが低濃度の場合、回収しにくい。回収しようとすると装置コストが高くなる。
②スクラバー法
【長所】
・低濃度のVOCをコストパフォーマンス良く除去できる。
【短所】
・スクラバーの洗浄液からのVOC成分の回収は困難であり、廃液中にVOC成分が含まれるので、2次処理が必要。
③活性炭吸着法
【長所】
・低濃度のVOCの除去が出来る。
・活性炭はリサイクル利用が可能。
【短所】
・活性炭の再生処理(焼成)が必要。
i) 自動再生装置は設備投資が大でコスト高。
ii)活性炭再生の委託方式は設備投資少ないが、再生処理コストがかかる。