ユーザー:九州大学大学院工学府応用化学科分子生命工学講座様 様
今回は、九州大学大学院工学府応用化学科分子生命工学講座の湯淺様と指導教官の嶌越恒教授に、光反応用LED光源装置(PER-AMP)のご使用状況についてインタビューさせて頂きました。
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1.研究テーマについて
Q.研究室の主なテーマを教えてくださいA.(大学院生 湯淺氏)九州大学大学院工学府応用化学科分子生命工学講座の嶌越教授グループでは、ビタミンB12人工酵素の分子設計と触媒機能や、有機無機ハイブリッド触媒を用いた環境調和型触媒反応の開発などを研究テーマとしています。 |
Q.ご自身の研究テーマについて少し詳しく教えてください
A.(大学院生 湯淺氏)
可視光応答化した酸化チタンを触媒として利用して、二級アミンからN-ホルムアミド類を合成する可視光駆動型の有機合成反応の開発を行っています。 N-ホルムアミド類は医薬品にも含まれるような有用化合物です。このような有用化合物を、たった1種類のアミンと空気中の酸素のみをすべての元素源として合成できる、驚くべき反応を見出しました。
2.LED光源装置(PER-AMP)について
Q.今回ご使用いただいた装置を教えてください
A.(大学院生 湯淺氏)
今回、LED光源装置として、テクノシグマ製PER-AMPを使用し、電源部:AMP-N1,N4、LEDランプ:PER-365,405,448,470,510,521,610,631を使用して実験を行いました。
Q.装置(LED光源装置)をどこで知りましたか?
A.(嶌越恒教授)
学会の展示ブースで知りました。
Q.ご購入いただいた時の1番の決め手は何だったでしょうか?
A.(嶌越恒教授)
様々な波長の光源が、比較的安価で販売されているからです。
Q.装置を研究に対してどのような場面で使われましたか?
A.(大学院生 湯淺氏)
主に448 nmのLEDを利用して触媒反応の条件最適化を行いました。また、本反応が幅広い波長の可視光照射下で進行することを示すために、様々な波長のLEDを用いて反応を行い、各波長における収率を確認しました。
Q.装置の使い方で、工夫された点があれば教えてください。
A.(大学院生 湯淺氏)
反応容器の外側を、アルミホイルで包んだビーカーで覆っています。光の拡散を遮断することで効率的な光照射が可能になりますし、私たちの目への影響も抑えられます。直接アルミホイルで巻くよりも熱がこもらず良い方法だと思います。
Q.装置について、ご自身の研究に対して特に良かった点があれば教えてください。
A.(大学院生 湯淺氏)
反応容器の内部から光の照射が可能なため、反応を効率よく進行させることができます。また、幅広い波長のLEDが展開されているため、反応の収率の照射光波長依存性を調査できた点も良かったです。
Q.実際にご使用になって、期待通りの使い方・結果だったでしょうか?
A.(嶌越恒教授)
期待以上の成果で、反応溶液に直接LED光源を浸すことで、効率良く光触媒反応を進行させることが出来ました。
3.装置の課題や今後への期待について
Q.逆に、もう少しこうなれば良いなという点があれば教えてください。
A.(大学院生 湯淺氏)
LEDの発熱をより少なくしていただけるととても嬉しいです。
A.(嶌越恒教授)
幅広い可視光領域を一度に照射できる白色LEDもあれば便利だと思います。また光反応の光量依存性を調べるのに光量を制御する機能があるといいと思います。
Q.後輩に使用方法を指導するとした場合、ポイントとなるような点があれば教えてください。
A.(大学院生 湯淺氏)
とにかく丁寧に扱うこと、これだけはお伝えしています。LEDの保護ガラス管や接続コネクタが繊細なため慎重に扱う必要があります。
Q.最後にテクノシグマ製品に対してのご意見があればお願いします。
A.(大学院生 湯淺氏)
これからも、取り扱いやすく、実験がより快適になるような製品をたくさん開発していただけることを期待しています。
A.(嶌越恒教授)
研究者の要望に丁寧かつ適切に応えてくれる、研究者フレンドリーな装置をこれからも開発してください。できれば安価な方が、お財布にもフレンドリーです(笑)。
[以上]