ソリューション事例

研究室のコスト削減事例(2) ~HFIPの精製再利用~

HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)は多くの結晶性高分子を溶解することが出来る数少ない溶媒です。特に、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による高分子の分子量、分子量分布などの測定には欠かせない溶媒となっています。

しかしながら、HFIPは高価な溶媒であり、価格は1KGあたり10万円程度です。したがって、GPC測定後のHFIPを再利用できれば、研究開発費をもっと有効に使うことが出来ます。

HFIPの精製再利用は、おそらく皆様ご自身でも、ガラス製の蒸留装置を組んで蒸留精製すれば可能ではあります。しかし、多くの研究開発現場ではそれが難しい側面があります。具体的には以下のような問題があります。

例えば、1カ月に1度、ガロン瓶1本のHFIP(約4.8KG)の蒸留精製をイメージしてみます。下記のように、Solpureを導入することで、HFIP蒸留精製の手間(作業工数)、安全性、精度を、容易に格段に高めることが出来ます。

【HFIP蒸留精製時の問題点】
1.比重が大きく(約1.6)重量があるため、大き目な装置を組む場合は、しっかりした固定が必要。
地震による転倒等の可能性も想定すれば、相当しっかりした建付けでの蒸留装置設置が必要となる。
また、容器の取扱いや移替えなどの際に落下破損の危険性が高い。

2.HFIPは多くの樹脂を溶かすため、HFIP蒸気に触れる配管、パッキン、グリースなどに注意する必要がある。

3.毒性は低いが強烈な臭気や腐食性があるので、取扱いに困難を伴う。
漏洩などの際には、健康被害(呼吸器障害、皮膚炎症)の可能性がある。

4.水を吸いやすいため、通常、水を除去する工程も必要になる。

5.精製後の品質チェックが必要である。

6.ガロン瓶1本分の蒸留精製には2日程度かかる。加熱装置(マントルヒーター等)が暴走し過加熱によるHFIP蒸気散逸の危険性や、冷却水の漏洩などの事故の可能性があり、運転中は目が離せない状況となる。

7.廃棄処分する場合にも高額なコストがかかる。

【Solpureソルピュアを使うメリット】
1.簡単操作で放置可能
ガロン瓶を直接Solpureにセットできるため、容器の移し替えが不要。水分除去のため、事前にガロン瓶にモレキュラーシーブを投入することも可能。精製後の受器もガロン瓶(清浄品)を使用することが可能で、丸底フラスコ等からの移し替えが基本的に不要。自動運転なので、1瓶分の処理が終わるまで安心して放置できます。

2.高耐久性
HFIPの使用を盛り込んだ設計(構造、強度、部材の材質等)をしているため、危険性は極限まで抑えられています。

4.安全性
沸点程度の温度以下の低温で精製を行います。装置内部の処理はバッチ式であり、蒸留残渣が濃縮蓄積することはありません。精製終了後は自動的に停止する設計になっており、これらのことから、自動運転、終夜運転を安心して機械に任せることが可能です。

7.コスト削減
GPC用途ですと、歩留まり90%程度以上で再利用可能です。

>HFIP 自動精製装置 ソルピュア PSOS-HFIP の紹介ページへ

 

HFIP精製受託サービスも行っています

精製委託のご要望も多いため、当社では、HFIPの精製を受託しています。サービスの内容は以下の通りです。
新品をご購入頂くよりも大幅コスト削減が可能です。廃棄コストもかかりません。

【HFIP受託精製サービスの内容】
・歩留まり90%以上
・水分率500ppm以下
・ガスクロ純度100%

詳しくはお問合せください。