研究室のコスト削減事例(1) ~重水素化溶媒(DMSO-d6)の精製再利用~
NMRの測定に使われる重水素化溶媒など、少量しか使わないが高価な溶媒を精製・回収して再利用します。ここでは、DMSO-d6の例をご紹介します。
DMSO-d6(重水素化ジメチルスルホキシド)は、NMRの測定等に用いられる、沸点189℃、融点20°の溶媒です。高価な溶媒のため、少量でも再利用したいというご要望が多くあります。
「ソルトラミニ」を用いれば、簡単にDMSO-d6の精製回収・再利用が可能です。具体的には、廃溶媒をセットしてソルトラミニを電源ONするだけ(要条件設定、設定後は記憶しています)で、あとは完全に放置したままで、常圧・低温で安全に、自動的に溶媒精製を行えます。
>有機溶媒濃縮回収システム ソルトラミニ GBCS-mini-Ⅰの製品紹介ページへ【ソルトラミニによるDMSO精製の推奨条件】
・蒸発部(加熱部)設定温度:80℃ ・・・ 実用的な精製速度が得られる温度(設定可能な最高温度)
・凝縮部(冷却部)設定温度:21℃ ・・・ DMSO-d6の凝固点=20℃
・エア吹付量設定値 :7.0~9.0 ・・・ 流量1.8~2.1L/minに相当(設定可能な上限は9.0)
・圧力 : 常圧 ・・・ソルトラミニの標準の状態(設定なし)
【方法の一例】
①NMR溶媒として使用した後のDMSO-d6廃液(10ML)を、付属の20MLサンプル瓶に入れ、ソルトラミニにセットします。
②加熱部(濃縮部)温度設定80℃、冷却部(凝縮部)温度25℃、吹付レベル7.0の設定で、精製を開始します。
※高沸点溶媒のため溶媒蒸気の経路で一部溶媒の凝縮が起こりますが実用上問題ありません。気になる場合には適切に保温を行います。また、吹付量設定値をなるべく大きく(例:9.0)した方が結露防止になります。
※必要に応じて、窒素置換オプションを使用し、窒素ガス雰囲気下で実施することも可能です。
③約5時間後、10MLのDMSO-d6廃液の殆どが蒸留され、回収瓶にたまります。
④回収瓶に溜まった精製後の溶媒を再利用します。
※必要に応じて精製後の溶媒の品質検査を実施の上で再利用してください。
【基本データ】