

ユーザー:神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻 有機化学研究室 岡野 健太郎 教授
神戸大学大学院工学研究科応用化学専攻 有機化学研究室 岡野 健太郎 教授に、ご導入いただいたミニエバポレーターとエコクレール、特注専用架台のシステムについて、導入の経緯やご使用感を伺いました。
ミニエバポ(MEV-50NS)、及び、エコクレール(OSR-B300F) について

本システムは当社が考案し特許取得(閉鎖循環式溶剤回収システム、クローズド溶剤回収システム)しており、他に類を見ない有機溶媒回収装置です。また、エコクレールは冷却水循環装置が不要であり大幅な省スペース化が可能です。
使えば使うほどその良さが分かる、是非使って頂きたいお勧め製品です。
Q1.ミニエバポレーターやエコクレールはどこで知りましたか?
A1.(岡野教授)
学会展示でミニエバポレーターの実機を拝見し、すでに2連架台のシステムを導入していました。
Q2.今回の導入にあたり、解決したかった課題は?
A2.(岡野教授)
私たちの研究ではロータリーエバポレーターによる濃縮作業が必須です。常時使用できるよう冷却水循環装置を稼働させスタンバイさせていますが、その際に凝縮器周辺で結露が発生する問題がありました。結露対策を講じても長期使用では結露を完全に防ぐことは困難で、結露水が電気機器に触れることで事故のリスクがありました。これまでは使用法の徹底と安全教育で対応してきましたが、そもそも結露が起きにくい装置構成へ変更したいと考えていました。
※右の写真は研究室でご使用中の一般的なロータリーエバポレーターの結露の様子
Q3.
今回の装置構成のポイントは?
A3.(岡野教授)
凝縮器にエコクレールを採用し、1台のエコクレールに8台のミニエバポレーターを接続しました。各エバポレーターは個別に減圧・大気開放の操作が可能で、濃縮中でも回収液の取り出しが可能です。さらに、特注架台は設置スペース(横幅)を極力コンパクト化できるように設計してもらいました。
Q4.実際の使用感・結果は期待通りでしたか?
A4.(岡野教授)
はい。結露の問題は改善され、濃縮量が少量であるためエコクレール1台でも十分凝縮回収できています。設置スペースも非常にコンパクトになり、体感でもまとまりの良さを感じます。さらに、8台セットのミニエバポレーター購入より費用も抑えられました。
Q5.ご使用中に困った点・トラブル、解決方法は?
A5.(岡野教授)
今回の装置構成では特にトラブルはありません。
以前、ミニエバポレーターの回転軸が曲がって修理したことがあり、曲がりにくい材質への改善を希望していました。
※補足:新型MEV-50NSではモーター負荷による運転停止機能を搭載し、回転軸もガラス繊維20%入りPTFEに変更。機械強度も向上しています。
Q6.「あれば良い」と思われた機能・仕様は?
A6.(岡野教授)
すでに十分省スペース化できていますが、横長ウォーターバスに2台のエバポレーターが共有で使える仕様のものがあれば、さらにスペース削減とコンセント数削減につながり、ありがたいです。
Q7.テクノシグマ製品へのご意見・ご感想は?
A6.(岡野教授)
「かゆいところに手が届く」というのが印象です。周囲にも紹介していますので、今後ともよろしくお願いいたします。
最後に
この度は、お忙しい中インタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。
岡野教授の研究室で課題となっていた結露対策と省スペース化の両立を実現し、エバポレーター増設による研究効率化とスピードアップに貢献できた事例となりました。今後も多くの学生が効率よく研究を進められる環境づくりに役立てていただければ幸いです。